以前の記事で「もしあした晴れたら」のような実際に起こりうる条件を英語で言う方法の記事を書いたのですが、今回は、実際に起こりえないことを仮定する仮定法の用法を解説します。
以前の記事はコチラ↓
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仮定法は会話に頻出
仮定法と聞いてまず最初に思いつくのは If I were a bird, I could fly(もし鳥だったら飛べるのに。)というような学校の授業で習う文ではないでしょうか?こういうポエティックな例文だとあまり実用的ではないような気がしてしまうのですが、本当は日常生活の中で非常によく使われる用法です。たとえば皆さんは普段の会話の中で「あんなこと言わなければよかった」のような後悔や愚痴、「もし宝くじに当たったら…」みたいな実現不能な願望を言ったりしませんか。実はこういった表現は実現不可能なことなので全て仮定法です。
本来はとても実用的な仮定法ですが、時制に気をつける必要があるので注意が必要な部分もあります。今回の記事では、日常会話で特によく出てくる「現在のことに対する仮定」と「過去のことに対する仮定」を解説します。
現在のこと対する仮定(仮定法過去)
例えば「もし忙しくなかったら、あなたを手伝うのに」と言いたい場合。
まずは、仮定法を使わず言った場合の文が↓です。
<間違い>
If I am not busy, I will help you.
この文章だと、今忙しいニュアンスがまったく伝わりません。「(今忙しいんだけど)もし忙しくなかったら」というニュアンスをきちんと出すためには仮定法にする必要があります。仮定法は、時制を1つ過去にするルールです。従って以下のようになります。
<正しい文>
If I were not busy, I would help you.
本来は仮定法のbe動詞は wereを使うルールだったのですが、最近は wasでもOKと言う人も増えてきているようです。ただ、wereを使うべきだと言う文法学者もいまだに多いので念の為wereを使う方がよいかもしれません。
If I were not busy, I could come to your party.
忙しくなければ、あなたのパーティーに行けるのに。(今忙しい)
If it were sunny, I would wash my clothes.
晴れれば、服洗うのに。(今雨が降ってる)
If I were you, I would go out with me.
もし僕があなただったら、僕とデートするのに。(僕≠あなた)
be動詞ではなく一般動詞の場合も過去形にするだけでOKです。
If I lived in Sydney, I could go to Bondi beach.
もしシドニーに住んでたら、ボンダイビーチに行けるのに。
現在のこと対する仮定(仮定法過去完了)
今のことではなく過去のことを話していて「あの時もし忙しくなかったら、あなたのパーティーに行ったのに」と過去のことを仮定する場合を見てみましょう。
先ほどと同じように、仮定法を使わなかった場合は↓になります。
<間違い>
If I was not busy, I would have come to your party.
「(あのとき実際忙しかったんだけど)もし忙しくなかったら」と過去のことを仮定するには、単なる過去形ではなくさらに1つ時制を下げて大過去にする必要があります。大過去はhad+過去分詞で表します。
<正しい文>
If I hadn’t been busy, I would have come to your party.
忙しくなかったら、あなたのパーティーに行ったのに。
If it had been sunny, I could have washed my clothes.
晴れてたら、服洗えたのに。
If I had been you, I would have slapped him.
もし私があなただったら、彼をビンタしてたとこだわ!
こちらも一般動詞を使う文章はこんな感じになります↓
If I had had enough money, I could have bought the car.
あのとき十分お金持ってたら、あの車買えてたのに。
まとめ
ネイティブスピーカーは思っている以上に仮定法を織り交ぜて会話をしているので、仮定法の理解が甘いと会話についていけないシーンも出てきます。しっかりとマスターするようにしてくださいね。この記事が苦手意識の克服のきっかけになったら嬉しいです。
また、冒頭で触れた「もしあした晴れたら」のような実際に起こりうる条件を英語で言う方法の記事はこちらです。
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