僕が住んでいるオーストラリアのメルボルンは現在コロナウィルスが深刻なため自由に外出できない状態が続いています。先日、友人と遊びに行く計画について電話で喋っていたら次の表現が出てきました。
We should put our plan on ice.
この表現、意味を知らないと「なんで氷の上に計画を置くの?」って思ってしまいますよね。これ実は「保留にする」「後回しにする」という意味なんです。今回は ice がつく日常的によく使われる表現をまとめて解説します。
Contents
on ice
「後回しの状態」「保留状態」の意味。
文字通りの意味は「氷の上」ですが、イディオムとしては「後回しになっている状態」の意味です。冷蔵庫が発明される以前、食材は氷の上に置いて保存されていたわけですが、この保存して後で食べるニュアンスが「後回し」の語源なんだそう。
put 〜 on ice で「〜を後回しにする」の意味になります。
We should put our plan on ice until next year.
計画を来年まで延期しよう。
on thin ice
「危険な状態」「リスクの高い状態」の意味。
今にも割れそうな薄い氷のはった湖の上は歩くのはとても危険ですよね。walk on thin ice 「薄い氷の上を歩く」や skate on thin ice「薄い氷の上をスケートする」が一般的な使い方です。ちなみに、日本語にも同じような意味で「薄氷(はくひょう)を踏む思い」という表現がありますね。
She knew that she was walking on thin ice when she purchased a lot of stocks of the company.
彼女はその会社の株をたくさん購入した時、リスクを背負っていることを知っていた。
(as) cold as ice
「(温度が)氷のように冷たい」もしくは「(態度が)氷のように冷たい」の意味。日本語とも共通する感覚なので覚えやすいですよね。
My hands are always (as) cold as ice.
私の手はいつもとても冷たい
His attitude is (as) cold as ice.
彼の態度はとても冷たい
なお、ice-queen という比較的一般的な表現があるのですが、これは「美しいけれど冷たい女性」のことを意味します。
ice in your veins
「物怖じしない」「冷静沈着」の意味。
veinは血管ですが、その中に氷が入っていて血が冷えているイメージから、肝が座っている様子を表す意味としてスポーツなどのシーンなどでよく耳にします。
With everybody shouting at him to score, he got a three-point shot. When he’s under pressure he has ice in his veins.
みんなが点を入れろと叫ぶ中、彼はスリーポイントシュートを決めた。プレッシャーがかかった状況でも、彼は血管に氷が入ってるみたいに物怖じしない。
アメリカのD’Angelo Russellというバスケットボール選手がシュートを決めた時に使われた表現として有名です。次の動画の0:52〜です。声は聞こえないのですが、口の動きを観察すると “ice in my veins!”と叫んでいるのがわかると思います。
break the ice
「緊張をとく」「口火をきる」の意味
文字通りだと「氷を割る」の意味ですが、この氷というのは緊張状態を表す比喩です。例えば、会議などで誰も話さない状態はピリピリしたムードですよね。そういった緊張した場面で最初に口火を切って緊張をとくことをbreak the ice とよく表現します。また、緊張を解くような第一声は icebreaker と呼ばれます。
All of the new students were quiet and nervous, so she decided to break the ice by telling a joke.
新入生はみな緊張して静かだったため、彼女はジョークで場をなごませることにした。
いかがでしたか。今回は ice に関連するよく耳にするイディオムを解説しました。「冷たい」イメージや「硬い」イメージから派生させて覚えると覚えやすいかと思います。記事が参考になったら幸いです。
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