popは日本の英語教育で脚光を浴びることがあまりない単語ですが、オーストラリアでは日常的によく耳にする単語の一つです。今回はそんな便利な単語 pop を解説してみました。
なお、今回紹介する動詞としてのpopの使い方はイギリス英語で主に使われる単語であり、アメリカ英語で耳にすることは少ないようです。
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popのコアイメージ
popのコアイメージは「ポンッ」とか「パンッ」などのような「軽快な小さな破裂音」です。ワインボトルからコルクを抜いた時の「ポンッ」という音、風船が割れた時の「パンッ」という破裂音、これらの音は英語圏のマンガなどではよく “POP!” と表記されたりします。また、口に入れると舌の上でパチパチと弾けるキャンディーを食べたことがある方も多いと思いますが、あれに似たお菓子がオーストラリアやイギリスでは Pop Rocks® という名称で売られています。
擬音語としての使い方のほか、動詞としてpop をそのまま使うこともできます。「瓶を開ける」や「風船を破る」などの文で使えますが、どちらも小さな破裂音を想起させる使われ方です。
Why don’t we pop a bottle of champagne and start a party?
シャンパンを開けてパーティーを始めようか
The kid popped the balloon with a needle.
その子供は針で風船を割った。
例文
オーストラリア英語やイギリス英語では、pop はこのコアイメージから発展して様々な動きを表すフレーズの動詞として日常会話で頻出します。軽快な破裂音のイメージからもわかるように短時間でサクッと終わる動作に使われます。日本語でも「パッと行く」「パッと立ち寄る」「パッと現れる」「ポイっと入れる」「パッと記入する」のように軽快な動きに擬音をつけて表現することがよくありますよね。popはそういったシーンの動詞に代用ができます。
最もよく使われるのは come、go、visitなどの移動の動詞の代わりに使うpopです。popを使うと「カジュアル」かつ「すぐ終わる」というニュアンスが加わります。
I need to pop to the toilet. I won’t be long.
ちょっとトイレに行くね。時間はかからないから。
Can you pop upstairs and ask Tom if he wants some cake?
二階にちょっと行ってトムにケーキ欲しいか聞いてきてくれない?
Why don’t we pop in the cafe and grab some coffee?
カフェにちょっと入ってコーヒー飲もうか。
Can you pop out to get some cheese?
ちょっと外でてチーズ買ってきてくれない?
I’m popping over to your place tonight.
今晩あなたの家に行くね
Can you pop by my office after work?
仕事の後に僕のオフィスによってくれる?
移動以外にも、「着る」「置く」「記入する」「現れる」など使えるシーンはたくさんあります。いずれも「カジュアル」かつ「すぐ終わる」ニュアンスが加わります。
You should pop your jacket on. It’s cold outside.
ジャケット羽織った方がいいよ。外寒いし。
You should pop it in the microwave for a bit
ちょっとレンジにかけた方がいいよ
Do you mind popping down your name in the waiting list?
ちょっとウェイティングリストに名前記入してもらってもいいですか?
The text from my boss popped up on the screen.
上司からのメールがスクリーンにパッと現れた
まとめ
popが使えるシーンの多さに驚かれた方も多いかもしれません。覚えておくべきなのはコアの「軽快な小さな破裂音」のイメージ。これさえ覚えておけば「素早く何かをする」という意味がイメージしやすくなると思います。なお、日本語でも「パッ」「ポンッ」のような擬音語はカジュアルな印象になるため丁寧な文章では使われませんが、英語でもpopが使われるのはカジュアルなシーンに限られることに注意してください。記事が参考になれば幸いです。
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